単身赴任の街で ２３

ネット系（２）

届いたメールを開けてちょっと驚いた。

自分のことがびっしりと書いてある。どこあたりに住んでいて、どんな感じの仕事をしていて、こっちの世界の経験はどの程度でと、もう会う必要がないぐらい詳しかった。

ポスターとかパンフレットのデザイナーをしているらしい。学校を卒業して１度は都会に出たけれど、地元に戻ってきたという。スーパーとか自治体の仕事を引き受けて細々とやっているデザイナーくん。

真面目そうな感じの文面だったので早速会ってみることにした。

日曜日の午後、車で30～40分のところにある道の駅の駐車場で待ち合わせ。自宅にいたら絶対こんなことはできない。初めての体験に相当ドキドキした。

道の駅につくと駐車場のわきに立っているそれらしき姿がすぐに目についた。他に軽トラックしか停まってないから探す必要はない。

目と目があっただけでお互いに了解。ベンチに座ってしばらくしゃべった。

メールに書いてあった通りだったのでちょっと驚いた。デザイナーくんには悪いけれど、俺は３～４カ所ウソを書いてたし…　

都会にいるときは相当遊んだけれど、地元に戻ってからは他人の目が気になってほとんど活動していないという。俺が既婚者で単身赴任だということで会う決心がついたらしい。

「俺でええの？」と聞くと素直にうなずいてくれた。

「どっか場所ある？」と聞くと「ない」。

さて、これからどうする

（つづく）


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